船舶用時計

セイコー社の船舶用子時計(MC-002)

セイコー社の船舶用子時計(MC-002)です。

15分と45分からそれぞれ3分間、赤く塗られていますよね。
これは、沈黙時間を示しています。
沈黙時間ですが、かつて船舶は、500KHzという周波数を常時聴取する義務がありました。
500KHzは、世界中の船舶の呼び出し通信周波数で、遭難通信の”SOS”信号や、非常通信の”OSO”通信もたいていはこの周波数が使用されていました。
そこで、重要な遭難、非常通信が通常の通信でかき消されることのないように、毎時上記の時間帯に世界中の無線局がかたずをのんでワッチ(聴取)していた時間なんです。
電波形式は電信(モールス信号、CW、A1、A1A)のみ。この時間は”第一沈黙時間”と言って、電波法64条で厳しく規定されていました。
だから、船舶の通信室や海岸局、漁業無線局などの時計はこのようなデザインの時計がありました。
うっかり重要な沈黙時間に誤って送信することが無いようにするためだからです。
黒い塗られているのは、”第2沈黙時間”です。
これは、500KHz以外の周波数で毎時0分から6分ごろまで、と規定されてました。

通信士の試験勉強中で、この時計があることを知って記事にしてみました。
博物館などで、古い船の通信室が展示されていれば、この時計が付いていると思います。

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“船舶用時計” への4件の返信

  1. こんばんは
    船舶にはそんな事情があるんですね~
    一つものしりになりました。
    こんな時計があるというのは面白いですね

    1. jerryさん、こんにちは
      昔は、外洋に出ると、通信手段が限られていたので、命綱の無線は大事でしたね。
      今は、人工衛星があるので、運用が、様変わりしてます。

  2. おはようございます(^^
    父方も母方も海関係の仕事でしたが、この時計は見た事なかったです。
    もしかすると無線室の中にあったんでしょうね。
    船の中を見せてもらっても、無線室は大抵入れてもらえませんでしたからね。

    1. bluemさん、こんにちは
      無線室までは、入れてもらえませんよね。
      以前は、漁船でもモールス通信を使っていましたが、今は無線電話に変わっています。

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